北ガス社員による「座談会」「対談」の様子をお伝えします。
結婚、出産、育児というライフイベントは、働く意識やスタイルに影響を与えるできごと。各種サポート制度や社内環境の実際について、出産や育児を経験中の社員に聞いてみました。
(※掲載情報は取材時点の内容です。)
2014年入社。建築現場におけるガス・機器工事の管理監督を行う施工管理グループ。入社2ヵ月で結婚し、現在は2歳、4ヶ月半の二児の父。
2010年入社。ガス・電気の料金契約取りまとめや制度立案を行う料金センター所属。入社2年目に結婚し、6年目に第一子、8年目に第二子を出産。
2013年入社。リビング開発グループに所属し、新築戸建向け営業から営業事務スタッフまで幅広く経験中。入社4年目に結婚し、6年目に第一子を出産。
私は入社以来、ずっと料金センターに所属しています。現在主に担当しているのは、営業活動によって獲得した業務用の契約について、チェックや管理を行う業務です。
入社2年目のときに結婚しました。「子供はまだいい」と考えていましたので、結婚後しばらくは仕事中心の生活でした。
そして入社6年目で1人目、8年目で2人目を出産。女の子と男の子の母親を務めながら働いています。
僕は、入社2ヵ月で結婚し、周囲を驚かせました。
結婚後は、約2年間ほどは夫婦二人の生活を楽しみ、その後男の子二人を授かりました。上の子は2歳、下の子が4ヵ月半です。
職場は、入社以来施工管理グループで、6年目になります。担当しているのは新築戸建て住宅にコレモというマイホーム発電機器を設置するための施工管理です。この業務のほかに、技術担当として、施工管理グループが有している技術に関する窓口役として、メーカーや技術開発研究所とのやり取りを担っています。
かなり忙しい毎日ですが、二人目の出産を終えて育児休暇中の妻をサポートしながら、仕事をしているという日常です。
奥さまとは、社外で出会ったの?
はい。大学時代に知り合って、今は札幌市内の学校で先生(養護教諭)をしています。
私は入社7年目になります。結婚したのは、入社4年目後半の頃。入社6年目で第一子を出産し、現在1歳半です。
職場は入社以来変わっていなくて、家庭向けに営業を行うリビング開発グループです。
出産休暇(※以下、産休と表記)、育児休業制度(※以下、育休と表記)取得前は、新築戸建てのハウスメーカー担当営業として、外回り中心の仕事をしていました。産休、育休から復帰後は、戸建てチームから集合住宅チームに移り、そちらの営業事務を担当しています。
残業はできないという状況になったので、残業をしないで済むように仕事を組み立てるという意識が強くなったと思います。
それに、外回りをしていた頃は、自分自身と取引先とのやり取りというのが仕事の中心で、ほかのメンバーと個々の進捗に関する情報を共有することはあまりありませんでした。
ですが今は、自分が担当している仕事については、基本的に全て他のメンバーと共有し合うようにしています。
何しろ、子供が発熱したりなど、いつ休むことになるかわからないからですね。
「共有」という意味では、僕が担当している仕事では、現場があるので正直難しい面もあります。
ですが、担当する現場に関する情報(工事期間や設置機器の数量など)は事前に把握できます。そこで、細かなフォローの必要が少ない現場を担当できるチームに配置換えをしてもらうことができました。
そうした組織的なサポート、配慮を得ることができたので、僕も朝の保育園への「送り」や、帰りの「お迎え」に対応できるようになりましたね。
これまではあまり男性社員がそうした「配慮をしてもらった」という話は、聞いたことがないかも。
そうですよね。
実は僕の場合、長男が生まれてすぐに、難病を持っていることがわかったという事情もあるからだと思います。
それが原因で妻も落ち込んでいたので、家庭へのフォローが必要だと。
そうなんだ。そうしたこと、上司に相談して?
はい。相談したところ、当時の上司がすぐにその事情を社内に伝えてくれて。それで「配慮」が実現したのだと思います。
実際、長男には特別なケアが必要ということはありますが、それは健康な子供でも一緒ですよね。健康な子供であっても、保育園への送り迎えはありますし、病気になって急に迎えに行かなければならなくなったり。
そういう「急な対応」って子供が産まれる前はなかったから、今、すごく大変。
子供の急病のときなど、同じように配慮が必要だったのに、動きが取れなかったという人は、実はたくさんいると思うんですよ。
ですから、「僕の状況」があったから配慮を得られたということではなく、ごく普通に、組織的な配慮があって然るべきだと思うのです。
今後、この部分がもっと進んでいくといいなと思っています。
部署内で男性の育休取得という前例が、まだまだ少ないんだよね、きっと。
まだ社内ではそういう後押しが完璧にされているかというと、そうではない部分もあるかもしれないですね。上司も本人も、制度の中身のことなどを理解し切れていない。男性社員の育休取得について、浸透しきっていないという感じですね。
実は僕自身も、妻か夫どちらか一方が取得したら、もう一方は取得できないと思い込んでいました。
でも今は、そういう制度があるのだから「取ればよかった」と。良い制度ですし。
部署内で、男性の育休取得という前例があると、上司や会社の雰囲気もどんどん変わっていくよね。
周りから「取れ」と言われたから「じゃあ取ろうかな」みたいな感じでは、せっかくの制度が活きないですよね。
「取りたい」「取る」という意欲が無いと、無理矢理取らせても、本人(夫)も「育児頑張ろう!」という感じにはならないような気がして。
漠然と「お休み期間」となってしまって、ちょっと子供と一緒にいて、みたいな感じで終わっちゃうかもっていうことですか?
そうなんですよね。ただゴロゴロしてだけになるかも(笑)。それなら、仕事していたほうが良いんじゃない!? って。
奥さんの負担が増える、みたいな。長期の休みが近づくとよく聞く話(笑)。
西塚さんは、お子さんができて何か変化は?
子供ができてからはとにかく、働き方や意識が全く変わったなと思う。とにかく毎日時間が足りなくて、ネットサーフィンする時間も無い。
残業はできないから、終業時刻までに何とかこの業務を、優先順位を付けてやろう! みたいな感覚です。
時間意識は、私も本当に大きく変わりましたね。
そうやって時間に追われるように仕事をしていると、会議の予定時間が当然のようにオーバーすることや、議論が脱線することが腹立たしくなり、ちょっと「心の狭い人」になってしまって(笑)。
時間に対する意識が、すごく強くなったと思う。
でも、忙しいなりにも、子供と過ごす楽しい時間があったり、保育園に迎えに行ったとき、子供が何か叫びながら飛びついてくるところが可愛かったり。
そうしたメリハリがある毎日が、すごく良いなと思う。
保育園に「お迎え」に行くと、どうして子供はあんなにハイテンションになるんでしょうね(笑)。
島田さんはさっき、「育休を取れば良かった」と言っていたけど、これからでも取れば良いのでは?
実は今、そのことを考えていて。
下の子が生まれて4ヵ月で、妻はまだ1年間の育休の途中なんです。そこで、妻の仕事復帰を支えるために、妻の復帰時期に合わせて、僕が育休を取るのがベストだと考えています。
妻の育休明け後の1ヵ月なり2ヵ月を、僕が家でドンと構え、妻の復帰をサポートできれば。
うちは一人目と二人目の年齢が近いので、妻は一人目が生まれてからほとんど仕事をしていないんですよね。「仕事は続けたい」ということなので、その気持ちをサポートするには、妻と僕が育休で入れ替わるのがベストだと思うんです。
(※島田さんは実際に2020年4月の1か月間育児休暇取得をすることになりました。)
すごいな。育児を「自分ごと」として考えているよね。こういう男性、いるんだ(笑)。
うちは共働きですから、お互いにプレーヤーですよね。だから家事にしても、僕もやるし意見も言います。
仕事と一緒でというとおかしいですけど、家の中で僕の意見も反映させたいですしね。
島田さんのような考え方が、もっと世の中にも広まってほしいな。
今まで女性が多くなかったのもあると思いますが、リビング開発グループで産休、育休を取ったのは、私が初めてだと思います。だから私は、両立は難しいだろうなと考えていたのですが、仕事を続けること、そして子供がほしいという希望があったので、どちらかをあきらめる気持ちはさらさら無く。
不安はありましたけど「なるようになるさ!」という気持ちで、子供を授かり復帰を果たしました。
実は、営業でも育休を取れるというイメージまでは持っていなかったな。営業でも大丈夫なんだと、驚いた記憶があるな。
もちろん不安はありましたが、当初から会社を辞めるという選択肢は持っていませんでした。仕事と子育てをやってみて、本当に厳しかったら、そのときに「会社を辞める」という選択肢について考えればよいかな、と。変な言い方ですけど、辞めることはいつでもできますから。
北ガスで仕事を続けるという意味では、いろんな制度が助かるよね。「宿直免除」なんかは、すごくありがたい。子供が小さいうちは、夜、家を空けるわけにはいかないからね。
「育児のための短時間勤務制度(※以下、時短勤務と表記)」なんかはどうですか?
助かる! 1時間とはいえ、その1時間が貴重だから。
それに、選べるところが良い。後ろを縮めてもいいし(終業時間を早めること)、前を縮めること(始業時刻を遅らせること)もできるのはありがたいな。
この制度がなかったら、もっと時間的に厳しい毎日になっていたと思う。お迎えギリギリの時刻が18時だとして、終業時刻が17時20分のままだと、間に合わない場合もあるから。
半年に一度の申請で、前後を切り替えるという使い方もありかもね!
そうか。勤務パターンを変えれば良いわけですね。
北海道は冬場の送り迎えが大変なので、夏と冬で切り替えられたらありがたいかも。
そうした制度はありがたいですし、それで働きやすくなっているけど、本当は私たちの意識をもっと変えていくべきだよね。
たとえば、残業の〝習慣〟を皆で無くしたら、もっと効率的になるのに、と思う。
育児中の人だけが「残業しない」のではなくて、全員が「残業しない」というふうになっていってほしいですよね。
島田さんみたいな「帰るモチベーション」を、皆に授けよう!(笑)
周囲の様子を見ていると、ある種の思考停止に陥っているケース、ありますからね。終業時刻を迎えても、「まだ時間があるから頑張ろう」と。それは単なる習慣。
日中は、ある程度余裕ある姿を見せていれば、周囲は相談しやすいということがあるかもしれないけど、そのせいで残業になるのだとしたら、それは本末転倒ですね。
振り返ってみれば、過去の私は皆と同じだったかもしれないな。でも、子供ができてから意識が変わった。
たとえば仕事の割り振りなんかでも、この業務は「その人の担当」という形で仕事をくくられてしまうと、育休などを取ろうというとき、「迷惑掛けてしまうかな?」なんていう遠慮が生まれてしまう。
そういうところも、意識改革が必要ですね。
「リモートワーク」という考え方も、取り入れていくといいと思う。
今でも取引先などで社内ネットワークWi-fiを利用することは一部できるけれど、出社しなくても仕事ができれば、通勤時間などを費やさずに済む。家でも一定時間集中して仕事ができたら、すごく便利だろうな。
そういう日が、週に1日でもあると良いですよね。
時間と場所にとらわれない働き方、理想だな。そういう働き方、営業でも可能だと思う?
できると思います。
携帯とパソコンがあれば、できることはかなりありますね。図面などは既にパソコンで見られますし、工程連絡などもすぐにできる。
僕たちの現場でも、環境と周囲の理解さえあれば、すぐにでも始められると思う。もちろん、急な対応が必要になれば、時間を調整して出掛けられるようにして。
そうなるとむしろ、「紙の書類を提出しなければならない」といった社外のルールへの対応のほうが困るかもしれない。
社外ルールは難しい場合はあるよね。でも、社内であれば「結果を出せるなら、いつ、どういった組み立てで仕事を進めても自由」とかできたら良いよね。
子育てしながらでも働ける、より働きやすい仕事環境にしていくことを考えたら、そうした思い切った取り組みや改革をしていきたいよね。
2019年6月、北ガス本社は新社屋へと移転しました。新社屋には「北ガス札幌発電所」を併設し、都心部のエネルギー拠点として地域社会に貢献しています。
もちろん働く環境としても、新社屋は抜群の機能性を発揮。
新社屋移転をきっかけにより一層、次代に応える北ガスグループであり続けていきます。
座談会を終えて
人事グループ 採用担当
子育てをしながら働くライフスタイルのロールモデルに。
配偶者の転勤等を除くと、「結婚」や「出産」だけが理由で退職する人がほぼいないのが、当社の近年の特徴。3人の座談会から、実際に子育てをしながら働くリアルな声を皆さまに伝えられたのではないでしょうか?
「仕事が子育ての息抜きとなり、子育てが仕事の息抜きとなる」
「子育てで得た時間管理術が仕事でも活かせている」
子育て中の社員からよく聞く言葉です。もちろん子育てに限らずですが、仕事の以外のいろんな経験をすることが人としての成長に繋がっていきます。
1995年には約900万世帯強と、ほぼ同数だった「共働き世帯」と「専業主婦世帯」が、2019年には「共働き世帯」が1245万世帯、「専業主婦世帯」が575万世帯とその差は2倍以上。男性だから、女性だから、という枠を超えて、会社でも家庭でも社会でも活躍している北ガス社員の姿が、学生のみなさんのロールモデルとなっていただければ嬉しいです。
参考情報
より一層、北ガスへのご理解を深めていただくための参考情報です。
(「北ガスグループの現況」39ページ《業務組織図》参照)
https://www.hokkaido-gas.co.jp/catalog/book/kitagas_action/index.html#page40